注文住宅を建てる際、重要になってくるのが「予算」。
予算の決め方によって将来的に支払いが厳しくなってしまう可能性も。
今回は予算決めを深く考えなかった我が家の経験談、
実際に予算を決めるときにポイントとなる3つことを解説したいと思います。
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予算決めを深く考えなかった我が家
結論から言うと、予算決めに対してもっと真面目に取り組めばよかったと後悔しています。
家づくり初期の段階から予算決めを重要視していなかった我が家。
自分たちのやりたいこと(オプション追加)ばかり優先し、予算のことをそこまで深く考えていませんでした。
関連記事≫【注文住宅】オプション費用(総額260万円)の内訳を公開
銀行から融資が下りたものの、実際に住宅ローンが始まると思ったよりも余裕がないことに・・・。
世帯年収
- 夫:500万円
- 嫁:200万円
我が家の世帯年収700万円に対して借入額は4,600万円。
月々の支払い額は12.5万円。
そこから生活費、貯蓄に回すと手元にはほとんど残りません
しかも目標としている毎月の貯蓄額にも届かず・・・。
今は何とか生活できていますが、将来に対して不安を抱えているのが正直な感想です。
収入が減ってしまった
支払いに対して不安を感じるようになったのは収入が減ってしまったから。
収入が減った理由としてはよくある残業の削減というやつです。
会社からは「残業を減らしてください」と通達がありほとんど残業をしなくなりました。
その結果、金額で言えば3~4万円ほど手取りが少なくなってしまいました。
月の手取りが3~4万円少なくなるのは痛すぎる。
閑散期であるため一時的なことではありますが、実際に給料明細を見ると不安になります。
もう一つの不安要因としては奥さんが「専業主婦になりたい」とのこと。
今の職場に不満を感じているらしくどうしても仕事を辞めたいらしいです。
金銭的なことから言えば働いてほしい気持ちではありますが・・・。
ただ、無理に働いて身体を壊すのも心配ですし、子供もまだ小さいため面倒を見てもらいたいという気持ちもあります。
我が家のように将来的に住宅ローンの支払いが厳しくなることもあり得ます。
例えば転職やパートナーの離職などにより年収が下がってしまうことも。
今思えばイレギュラーなことも見据えて予算決めをすればよかったと後悔。
FP相談はしなかったのか?
もちろんFP相談はしました。
具体的には工務店の方で繋がりのあるFPによる相談を受けました。
結構キツめのことを言われましたが、最終的には「ご夫妻の年収であれば大丈夫でしょう」とのこと。
当時、お金のプロに言われればこちらとしても問題ないと解釈してしまいました。
ただ、今考えると外部のFP相談も受けるべきだったかなと。
いずれにしろ、返済能力に不安があるなら外部のFP相談をしてみるのもいいかもしれません。
【注文住宅】予算を決める3つのポイント
将来的に支払いが厳しくならないように「予算の決め方」は重要です。
予算決めのポイントは以下3つ。
- 借入金額は年収の5~7倍が適正
- 返済金額は年収の20%以内が理想
- 家賃を基準としてみる
この3つのポイントを抑えることによって、あなたにとって理想的な予算を知ることができます。
①:借入金額は年収の5~7倍が適正
借入金額
- 年収の5~7倍が適正
借入金額を「年収倍率」から求める方法があります。
年収倍率とは借入金額が年収の何倍かに相当するもので、一般的には年収の5~7倍が適正と言われています。
8倍からはレッドゾーンとされており、将来的に支払いが厳しくなってしまう可能性も。
例えば年収が500万円だとしたら2,500~3,500万円の住宅ローンが適正という計算になります。
我が家の環境を当てはめると、
我が家の場合
- 世帯年収:700万円
- 適正額(5~7倍):3,500~4,900万円
- 実際の借入金額:4,700万円
年収倍率は約6.7倍。
適正内に入っているものの、7倍近くと高い倍率であることが確認できます。
生活が苦しいとまではいきませんが余裕はないのが正直なところ。
物件価格の高騰もあり、最近では限度額いっぱいまで借り入れが必要になるケースも少なくありません。
とくに都市部ではこれら傾向が高いようです。
借入金額の適正は年収の5~7倍と言われていますが、年収、年齢、地域によってバラつきがあるようです。
②:返済金額は年収の20%が理想
無理のない年間返済額
- 年収の20%
年収に占める年間返済額の割合を「返済比率」と呼びますが、
一般的に無理のない返済比率は年収の20%とされています。
返済比率が高ければ高いほど将来的に支払いが厳しくなってしまうのは避けられません。
下の表は年収別に20%の比率を設定した場合の年間および月々の返済額になります。
また、月々の返済額から、住宅ローンの借入可能金額、金利を考慮した総返済額も記載。
年収 | 年間返済額 (年収の20%) |
月々の返済額 | 借入可能金額 | 総返済額 |
400万円 | 80万円 | 約6.7万円 | 2,180万円 | 2,814万円 |
500万円 | 100万円 | 約8.3万円 | 2,710万円 | 3,486万円 |
600万円 | 120万円 | 約10万円 | 3,260万円 | 4,200万円 |
700万円 | 140万円 | 約11.7万円 | 3,820万円 | 4,914万円 |
800万円 | 160万円 | 約13万円 | 4,340万円 | 5,586万円 |
900万円 | 180万円 | 約15万円 | 4,890万円 | 6,300万円 |
1000万円 | 200万円 | 約16.7万円 | 5,450万円 | 7,014万円 |
※ローン期間35年、全期間固定金利1.5%、ボーナス月返済なしで試算
例えば年収400万円の場合、月々の返済額は約6.7万円になります。
金融機関から借り入れできる金額は2,180万円となり、これに※金利を考慮すると総返済額は2,814万円という計算に。※(固定金利1.5%の場合)
我が家の環境※と比較すると
返済比率 | 年間返済額 | 月々の返済額 | 借入金額 | 返済総額 |
理想(20%) | 140万円 | 約11.7万円 | 4,390万円 | 4,910万円 |
我が家の場合 (約21.4%) |
150万円 | 約12.5万円 | 4,690万円 | 5,250万円 |
※世帯年収700万円,ローン期間35年,変動金利1.5%、ボーナス月返済なしで試算
住宅ローンを組んで家を建てる場合、年収に対して返済比率を何%にするかが予算決めのポイントと言えます。
返済比率が高ければ月々の支払いが高くなるため、将来的に生活が苦しくなってしまう可能性も。
返済比率は20%以内に設定することで、無理のない返済計画が立てられます。
③:家賃を基準とする
今住んでいる家賃を基準にしてみるのもポイントのひとつ。
住宅ローン月々の返済額が現在の家賃と同じなら、今まで通り無理なく支払いができるはずだからです。
例えば今の家賃が7万円だとしてざっくり計算すると
- 7万円×12ヶ月×35年=2,940万円
住宅ローンの予算決めとしては現実的な金額ですよね。
ただ、戸建ての場合は住宅ローンに加え、諸費用(税金、修繕費)がかかるため、
賃貸物件よりも費用が高くついてしまうのは避けられません。
家賃はあくまでも基準として考え、無理のない返済額を試算するのが理想的と言えます。
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【注文住宅】一般的な予算の目安は?
住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査 2022年度集計」によると、
家づくりにおける必要資金は全国平均で以下の結果となっています。
注文住宅 | 3,715万円 |
土地付注文住宅 | 4,693万円 |
注文住宅で「3,715万円」、土地付きの注文住宅で「4,693万円」となっています。
地価の高い首都圏においては、全国平均よりもさらに高い数字となっています。
予算決めに考慮すべきこと
- 自己資金(頭金)は?
- 借り入れ期間の考え方
- 将来的に維持費もかかる
注文住宅の予算を決めるときには、上記のことも考慮して計画を立てる必要があります。
自己資金(頭金)は?
家づくりに自己資金(頭金)をいくら出せるか把握しておく必要があります。
自己資金として挙げられるのが以下。
自己資金
- 貯金
- 親からの援助
これら自己資金を家を建てるときにいくら充てられるか計算しておきましょう。
頭金の相場は「購入額の約10~20%が望ましい」と言われています。
例えば注文住宅の必要資金が4,000万円だとしたら、400~800万円程度が一般的な頭金の金額ということになります。
頭金は必ずしも必要というわけではありません。
実際、我が家も頭金なしのフルローンで組みました。
営業担当者に聞いたところ「頭金は出す方もいれば、なしの方もいます。」とのこと。
頭金があれば住宅ローンの審査が通りやすくなったり、月々の返済額の負担も減らすことが可能。
ただし、メーカーとの契約金、土地の手付金、その他諸費用などで現金が必要になってきます。
これら諸費用に対しても自己資金は残しておきたいところ。
関連記事≫頭金なし(0円)で住宅ローンを借りた話。実体験に基づいて解説
借り入れ期間の考え方
新築住宅を購入した人の借入期間でもっとも多いのが35年。
住宅ローンを借り入れる際、月々の支払額を多めに設定すれば返済期間は短くなります。
ただ、借入期間を短くしたことによって月々の支払いが苦しくなることも。
「毎月の支払い額を軽くしたい」というのが世間一般的な考え。
こうしたケースに適しているのが、最初に返済期間を長めに設定しておき、あとから繰り上げ返済するという考え。
例えば40前後で35年ローンを組んだ場合、支払い終わるのが75歳あたり。
体力的、金銭的なことを考えると返済期間が長いのは不安でしかありません。
こうした場合、最初に35年ローンに設定しておき、あとから繰り上げ返済するという方法です。
繰り上げ返済で柔軟に対応していくのがもっとも安全と言えます。
いずれにしろ収入や支出、将来の見通しを考慮する必要があり、返済が無理なく行える期間を選択するのが無難。
将来的に維持費もかかる
一戸建ては賃貸とは違い以下の維持費がかかります。
- 修繕費(メンテ維持費)
- 税金(固定資産税、都市計画税など)
- 保険(火災保険、地震保険)
住まいの条件によって異なりますが、「年間40~50万円」くらいの維持費がかかると言われています。
この金額は毎年かかるわけではなく、所有期間を30年として見積もった場合になります。
住宅ローンの支払いばかりに気を取られていると、維持費など思わぬ出費に対応できない可能性も。
将来的にかかる維持費のことも考慮する必要性があります。
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【注文住宅】予算決めのまとめ
予算決めのポイント
- 借入金額の適正は年収の5~7倍
- 返済比率は年収の20%が目安
- 家賃を基準としてみる
住宅を購入する際の予算は個々の収入や年齢によって異なります。
借入金額の適正は年収の5~7倍で、無理のない返済比率は年収の20%が目安とされています。
また、「頭金の金額」「借り入れ期間」も予算決めにとっては重要なポイント。
住宅購入後にかかる維持費用についても、事前に計算しておきたいところです。