「中庭 デメリット」と検索しても似たり寄ったりな記事ばかり。
なかには「ホントかよ」と信憑性に欠ける記事も存在します。
今回は中庭のデメリットを実際に「中庭のある家」を建てた視点から解説してみたいと思います。
注意ポイント
「中庭のある家」であっても、立地条件、間取り、構造、設備など住環境が異なります。
そのため、すべての場合において当てはまるわけではありません。
また、性能などを保証するものではありませんのであくまでも参考程度までにお願い致します。
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【中庭のある家】デメリット9選!
- 照明に虫が寄ってくる
- 糞害・蜘蛛の巣問題
- 生活導線が長くなる
- 間取りが狭くなる
- 猛烈な日差しが差し込む
- 思った以上に音が響く
- 断熱性能が落ちやすい
- メンテナンスが大変
- 使用頻度が少ない
「中庭のある家」に住んで感じたデメリットとネットでよく見られるデメリットについて解説したいと思います。
照明に虫が寄ってくる
夜になると室内やエクステリアの照明に誘われて虫が寄ってきます。
発生時期は梅雨~秋にかけてですが、とくに梅雨の時期は大量発生します。
これは梅雨明け直前くらいに撮った写真ですが、梅雨の真っ只中だと倍くらいは寄ってきます。
中庭のような開口部が大きい窓だと虫も侵入しやすく、網戸のわずかな隙間から入ってくる始末。
過去に窓(網戸)を開けっぱなしにしていたことがありましたが、
気づいたら照明近くの壁一面に虫がバァ~と張り付いていることがありました。
よくインスタで「中庭の窓全開で大開放~」なんてやつを見かけますが、
我が家で夜そんなことをやってたら部屋の中がヤバいことになります。
基本的に夏の夜は窓(網戸)を閉め切っていることがほとんど。
これら虫はユスリカや羽アリ、チョウバエなどいわゆる羽虫のことを指し、
照明などの明かりに誘われて飛んでくる習性をもっています。
対策として以下の内容があります。
- 虫よけグッズを使う
- 虫よけ効果がある植物を置く
- LED照明を使う
正直に言うとそこまで期待しないほうがいいです。
持続型の「虫よけスプレー」を試しましたが、とくに効果があるのは当日だけ。
翌日以降からは同じように寄ってきます。
頻繁に使用するにしても手間がかかったり、窓がベタ(ギラ)つくように汚れたり、ウッドデッキが虫の死骸だらけになったりなど負のループ。
また、子供が網戸をベタベタ触るのであまり使いたくないのも本音。
吊り下げ式などあらゆる虫よけグッズを試しましたが、期待するまでの効果は得られませんでした。
室内・エクステリアの照明はすべてLEDですが、普通に虫は寄ってきます。
LED照明は虫が寄りにくいだけであって、すべての虫に効果があるわけではないようです。
ユスリカなどの羽虫は、水たまりがある場所に発生しやすいと言われています。
人工芝の下は「防草シート」、ウッドデッキの下は「コンクリート」で施工し、可能な限り虫が発生しないような環境を整備。
ただ、それでも虫は発生します。
以上のことから完全に虫を防ぐことは不可能です。
そもそも中庭があるから虫が寄ってくるわけではなく、照明に誘われて寄ってくるのが正解です。
ですから、室内やエクステリアの照明を落とすことで虫の発生を抑えることは可能です。
実際に明るさを落として過ごしましたが、寄ってくる虫の母数が明らかに違いました。
とはいえ、夜過ごすには照明は必須なので現実的な対策とは言えません。
梅雨~秋ににかけて、とくに梅雨の時期は虫との闘いを覚悟しなければなりません。
糞害・蜘蛛の巣問題
鳥による糞害が起きます。
具体的にはウッドデッキや、中庭の外壁へ垂らすように鳥のフンを落とされます。
ただ、毎日ではなく稀に落とされる感じです。
そのまま放置するとウッドデッキや外壁の劣化原因となるため、見かけたら早めに水で洗い流すようにしています。
周辺環境によって糞害の程度も違うと思いますが、起こりうる可能性として覚えておいてください。
あと蜘蛛の巣問題。
中庭の壁面、植栽、サンシェードなどあらゆるところに蜘蛛の巣を張られます。
ちょっと中庭へ出ただけでも、知らず知らずのうちに蜘蛛の巣が体に付いていることもあります。
とくに植栽周りはひどく、最悪の場合には蜘蛛の巣だらけになることも。
取っても取っても同じように蜘蛛の巣を張られるので、よっぽど目立つ場合を除いては放置しています。
蜘蛛嫌いなら対策をすべきですが、さほど気にならないようならそのままにしておく手も。
生活導線が長くなる
中庭のデメリットとして生活導線が長くなってしまうという記事をたまに見ます。
そもそも、中庭のある家は中庭を住居で囲むようにして建てられます。
そのため、直線距離で移動できる各部屋へも中庭を迂回しなければなりません。
また、間取りによっては生活導線が長くなり不便やストレスに感じることも。
ただ、これは中庭のタイプや、間取り位置を考えればそこまで気になりません。
我が家の中庭は四方を壁で囲われているとはいえ、形としてはコの字型に分類されます。
そのため、各部屋への移動は中庭を迂回してまわり道をすることもありません。
L字のリビングルーム~玄関で中庭を囲い、生活導線で必要とされる各部屋を右側に集約。
多くの時間を過ごすリビングルームだけは切り離し、右側は効率を考えて回遊導線を意識した間取りとなっています。
階段周りには廊下がありますが、中庭を迂回することに比べれば気にならない距離感です。
実際に四方を住居で囲われている中庭に住んでいるわけではありませんが、
回遊できるような中庭の間取りを考えれば、そこまでデメリットとして捉える必要もない気もします。
間取りアイデアはいくらでも考えられますし、それこそ設計士や営業担当者とよく打合せをすべき。
間取りが狭くなる
個人的に一番デメリットだと思うのが間取りが狭くなること。
限られた敷地面積に中庭を作るには、居住スペースを削らなければなりません。
とくに平屋のような1階で生活導線が完結する建物において、貴重な間取りスペースを狭くすることは大きな決断と言えます。
実際に中庭のある半平屋を建てた身としては「中庭がなかったら間取りの自由度も増すのに」なんてこともたまに考えます。
4人家族の理想的な坪数は32~40坪に対し、我が家の坪数は32坪。
数値が示すように、4人家族にしては手狭に感じるのが正直な感想。
中庭がなかったら単純計算で10帖は確保できるので、42坪の広いお家を建てることも可能です。
また、間取り一つ一つに関しても思うことがあります。
例えば洗面所。
洗面所は「1.5畳」ですが、「子供が大きくなったら朝は絶対に渋滞するよなぁ」なんてことも想像したり・・・。
関連記事≫【1.5畳】洗面所のレイアウト公開!こだわりの設備から収納を紹介
ほかにも実際に住んでみると、間取りを広げればよかった箇所が出るわ出るわ。
奥さんは間取りに関して気にしていないようですが、私自身は後悔とまではいきませんが少しだけ思うところもあります。
自分たちの希望で中庭を作ったとはいえ、「理想」と「現実」は実際に住んでみないと分からないことだらけ。
中庭を作ってまでも間取りを狭くすべきか、将来のこともよく考えて家族と相談し検討してみてください。
猛烈な日差しが差し込む
中庭のメリットとして採光が取り入れやすいというのがあります。
確かに中庭に面しているリビングルームは明るく、照明も必要ありません。
ただ、開口部が広い分だけ真夏になると猛烈な日差しが差し込んできます。
立地の方角にもよりますが、我が家の場合は9~14時くらいまで。
暑いし、眩しいしでとても快適に過ごせる環境ではありません。
ロールスクリーンをしても室内の温度が上昇してしまうため、結局はエアコン頼みになってしまいます。
そこで日差し対策として「サンシェード」を取り付けました。
「サンシェード」を取り付けたことで、開放感を保ちつつ、猛烈な日差しを防ぐことができました。
中庭は採光が取り入れやすいのは確かですが、真夏になるとそれがデメリットになることも。
とくに開口部が大きい窓には「サンシェード」は必須アイテムだと言えます。
サンシェード取付に関する記事は下記リンク先を参考にしてみてください。
関連記事≫【中庭のある平屋】外壁に「サンシェード」を取りつけて日差し対策
思った以上に音が響く
すべての中庭に言えるか分かりませんが、中庭は思った以上に音が響きます。
具体的には建物の外に居ても、中庭の話し声だったり、物音が聞こえてきます。
とくにウッドデッキを歩いたときに聞こえる「ドスン・ドスン」と響く音がヤバいです。
まるで体育館を歩いているような音。
ですから、子供がウッドデッキで走り回っていると「もうちょっと静かにしようねぇ~」と言ってしまいます。
本来なら思いっきり遊ばせたいところですが、神経質な私からすれば「隣人に聞こえてないか」「苦情が来るかも」などどうしても気になってしまいます。
プールやBBQをすることがありますが、なるべく騒音を立てないように近隣へ配慮しているのが現状です。
中庭に住んでいる当の本人からすれば、外への騒音は分かりにくいもの。
とくに住宅密集地や小さいお子さんがいるご家庭においては、騒音問題になる可能性もゼロではないかと思われます。
断熱性能が落ちやすい
実際は体感するほど断熱性能が落ちているとは感じません。
リビングルームには中庭の窓しかないため、西日の影響を受けないのも一因だと思われます。
もちろん、真夏日、真冬日はエアコンを点けますし、その辺は一般的な注文住宅とさほど変わらないかと。
断熱性能に関してはデメリットとして感じるほどではないのが個人的な感想です。
そもそも、断熱性能が落ちやすいと言われている理由は「窓」が多いから。
窓は外気に直接触れる部分であるため、面積が大きくなることで熱気や冷気が室内に伝わりやすいです。
そのため、中庭のような窓の数が多い間取りだと、必然的に断熱性能も落ちやすいとされています。
結果、「夏は暑く、冬は寒い」という環境ができてしまうのです。
先ほどの説明からすると、リビングルームに大きい窓が2か所もあると「断熱性能も落ちやすいでは?」と思うのが普通ですよね。
そこで、断熱性能を上げるために「トリプルガラス」を採用しました。
トリプルガラスとは3枚のガラスを使い、ガラスとガラスの間にアルゴンガスやクリプトンガスを封入したものを言います。
ガスを封入することで熱を通りにくくし、断熱効果が発揮される仕組みです。
予算の関係からアルゴンガス入りのトリプルガラスを採用しました。
トリプルガラスは主に寒冷地で利用されることが多いですが、断熱効果を高めたいなら中庭の窓にトリプルガラスを採用することをおススメします。
我が家の場合ですと、光熱費は上がっていません。
今はオール電化ですが賃貸アパートの時代と比べると電気代は同じくらいです。
基本的にエアコンの電気代は外気と室温の温度差が大きければ高くなる傾向にあります。
つまり極端にエアコンの温度を下げたり、上げたりすると電気代が高くなってしまうのです。
断熱性、気密性もあってか夏は28℃、冬は22℃を保ちながら稼働しています。
中庭の窓はトリプルガラスなどで断熱性能を落とさなければ、懸念するほど光熱費は高くならないかと思われます。
メンテナンスが大変
中庭のメンテナンスが大変かどうかはケースバイケースと言えます。
メンテナンスに手間をかけたくなければ、芝生は「人工芝」、ウッドデッキは「人工木」、植栽も管理が楽なものを選べば回避できます。
中庭のメンテナンス箇所は以下の4つ。
- ウッドデッキ
- 芝生
- シンボルツリー
- 排水溝
ウッドデッキ
ウッドデッキは「天然木材」よりも「人工木材」のほうがメンテンナンスが楽です。
「天然木材」のウッドデッキは砂埃、苔などの洗浄や再塗装の必要があります。
また、ひび割れや腐食が起きている箇所は木材自体を交換しなければなりません。
「人工木」の場合はメンテナンスがほぼ必要ありません。
やることと言えば、気になる汚れや糞害が起きたら水で洗い流すくらい。
「高圧洗浄機やデッキブラシで洗う」なんて記事を見かけますが、ウッドデッキに傷や跡が付くので止めたほうがいいです。
あくまでもやさしく洗い流す感じでOKです。
「人工木材」でも経年劣化による毛羽立ち、色落ちなどは起きますが、シロアリや腐朽の心配がないのが良いところ。
DIYが好きな方は「天然木材」という選択肢もありですが、メンテンナンスに手間をかけたくないたら「人工木材」のウッドデッキがおすすめです。
関連記事≫【中庭のある平屋】ウッドデッキ公開!おしゃれに見せるコツも紹介
芝生
「天然芝」よりも「人工芝」のほうが圧倒的に管理が楽です。
「天然芝」は芝刈り、水やり、除草、施肥など年間を通してメンテナンスが必要になります。
一方、「人工芝」は溜まったホコリ・ゴミ・チリをほうきや掃除機で取り除けばいいだけ。
綺麗に保ちたいのであればブラッシングが必要ですが、半年に1~2回程度でOK。
お世話がストレスでなければ「天然芝」もアリですが、メンテンナンスに手間をかけたくないなら「人工芝」を推奨します。
シンボルツリー
中庭にシンボルツリーを植えるにしても管理が楽なものを選んだほうがいいです。
なぜなら、樹木によっては剪定や害虫対策、落ち葉の掃除に手間がかかるからです。
また、むやみに植栽を増やせばそれだけお世話が大変になるため、シンプルにまとめるのもあり。
ガーデニング好きの方なら気にならないと思いますが、「メンテナンスが億劫」なんて方は管理が楽なシンボルツリーを選びましょう。
「シンボルツリー」に関する記事は下記リンクを参考にしてみてください。
関連記事≫【中庭のある平屋】「アオダモ」をシンボルツリーにした4つの理由
排水溝
排水溝のメンテナンスは必須です。
定期的にチェックしてあげないと排水溝が詰まり、逆流を起こして床下浸水にもなりかねません。
白く見えている2つが排水溝の蓋になります。
蓋は格子状になっており、そこから雨水が流れるようになっています。
昨今の集中豪雨を何回か経験しましたが、問題なく排水ができています。
具体的なメンテナンス方法は月1回ぐらいを目安に確認し、詰まりそうなくらいゴミが溜まっていたら取り除いてあげるだけ。
実際はそんなにゴミは溜まらないので、メンテンナンスがすごく大変なわけではないです。
ほったらかしにしておくと大変なことにもなりかねませんので定期的なチェックは必要です。
使用頻度が少ない
自分たちの希望で中庭を作ったが思ったよりも使用頻度が少なく、中庭を作って後悔したなんて意見もたまに聞きます。
実際に中庭のある家に住んでいますが、中庭を毎日使っているわけではありません。
平日は仕事で疲れてソファでぐったり。
準備、片付けの手間を考えると平日の夜から中庭飯なんてハードルの高いことはできません。
中庭に出て軽く夜風にあたったり、植栽の様子を見るくらいです。
「中庭なら安全に子供を遊ばせられる」なんて謳い文句もありますが、
実際は部屋のなかでおもちゃで遊んだり、テレビやゲーム、YouTubeを見ているほうが圧倒的に多いです。
子供が大きくなったら中庭で遊ぶこともほぼなくなるでしょう。
平日は中庭をほとんど使うこともなく、部屋の中からライトアップされた植栽を鑑賞するような感じです。
休日は平日に比べると使う回数も増えます。
- 朝飯・BBQ
- DIY
- 洗濯
- プール
- 夜飲み
中庭で朝飯・BBQは2ヵ月に1回あるかないか。
極まれにやるDIYは2~3ヶ月に1回ほど。
天気が良ければデカめの寝具などを洗濯して干します。
夏ならプールは毎週のように入ります。
夜飲みは気が向いたらやるくらい。
人によっては「少ないのでは?」と感じる方もいると思いますが、実際はこんなもんです。
相当なアウトドア活動好きでないと毎日使うこともないです。
今はまだ中庭を使っていますが、使う回数も徐々に減っていくかもしれません。(実際減っています。)
ですから、中庭の使用頻度が少なくなるか否かは自分たち次第とも言えます。
中庭をつくる明確な目的があれば作るべきだと思いますし、憧れだけで採用するのは賢い選択とはいえません。
中庭を作る目的を明確にする
中庭は意外とデメリットだらけ。
憧れだけで作ってしまうと「中庭を作らなければよかった」なんてことにもなりかねません。
個人的に一番デメリットと感じるのは間取りが狭くなってしまうこと。
限られた間取りを削ってまでも中庭を作ることは大きな決断と言えます。
理想や憧れだけではなく家族構成、生活スタイルなどあらゆることを考慮して検討すべき。
中庭を作るにしてもデメリットは必ず付きまとうもの。
そのデメリットを許容できるか、どうやって対策するかが中庭作りのポイントとも言えます。
中庭のある家を検討中の方は当記事を参考にしてみてください。